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ラビくん気づいてないよね?
そろそろと視線をやると、ラビくんはうっすら唇をひらいてぼんやりしていた。気づいてなさそうだ。
ひとまずほっとして、スマホをタップする。どうせタイシからだろう、と舐めてかかると真っ黒なアイコンが現れて、思わず「ひっ……!」と悲鳴がもれた。
なにこれ誰これ。いやがらせ?
パニックになったあたしは、真っ黒アイコン横の『Luna *.☽』の文字で相手がるなちだと気づく。るなちのアイコンは、映えな苺飴を持ったラビくん概念ネイル画像のはずだ。
いやな予感しかしない。
「ちょっと電話してくる!」
一気に二階のあたしの部屋まで駆け上がった。時限爆弾を括りつけられたように心臓がバクバク暴れる。
はやく、はやく電話にでて!
殴りつけるような激しい祈りのなか、七回目のコール音の途中でるなちは電話にでた。舌ったらずな「はあ~い」だけじゃ、るなちがいまどんな状態なのかはわからなかった。
「るなちどうしたの? なかなか電話でないから焦ったよ」
「あ~……。ごめん。スマホの画面がね」
「画面が?」
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