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「ぜったい……。ぜったい、ラビくんのせいだよ。ミケラビの解散は、ラビくんが悪いんだよ!」
どうしてそうなる。さすがにそれは違う。それじゃ時系列があまりに合わない。
呆気にとられるあたしを置いて、るなちはグンとヒートアップした。
「だってこんな奴とグループ組みたい? あたしだったらやだ。ぜったいやだ! グループって運命協同体なのに、こんな意識低い奴なんかと組みたくない。いらない。ぜったいこんな奴いらない。愛想つかされたに決まってるよ! 真面目にがんばってきたツナくんやミケくんがかわいそうだよ!」
心臓が、びりりと痺れた。あらゆる器官がぎゅっと絞まって、あたしを羽交い締めにする。
――かわいそう。ツナくんやミケくんが、かわいそう。
言葉が、頭のなかでわんわんわんわん反芻する。
――かわいそう。ツナくんやミケくんが、かわいそう。
そのたびにその輪郭は太く濃くなって、みるみる膨張する。
――かわいそう。ツナくんやミケくんが、かわいそう。
むくむくと、あたしの奥底でなにか巨大な塊が蠢いた。それはまるで長過ぎる午睡から目覚めるような、覚醒するような、そんな危険な匂いがした。
ぎゅんぎゅんぎゅんぎゅん――全身を巡る血は、ひどく熱くてひどく濃い。
心臓だけがすうっと冷え固まって、ことんと斜めに傾く。
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