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いちばんは原作。だけどアニメはアニメとして割り切って楽しんで、同人は同人で読み漁った。24時間365日休むことなく。もはや366日稼働レベルでわんブラ沼にはまっていた。
そう。あたしはべつに、わんブラが嫌いになったわけじゃない。興味関心すべてがツナくんに向いたというだけで、わんブラが嫌いになったというわけじゃない。
失った三次元の虚無を埋めるには、二次元に舞い戻るのもいいのかもしれない。出戻りというのもポメに申し訳ないし、オタクの風上にも置けないかもしれないけど、このままじゃあたしは死んでしまう。いまだってとっくに死んでるけど、もっともっと本格的に。根こそぎ死んでしまう。
家についたあたしは鞄から鍵を出すのすら億劫で、チャイムを鳴らした。おまえ鍵持ってるだろと海晴は怒るだろうけど、そんなのはどうだっていい。
「えっ……。ミウだよな? どうしたんだ、そのメイク。ギャル? それにそのバケツいっぱいのポテトは? 大食いチャレンジ?」
玄関をあけたのは海晴ではなく陸人だった。まずはあたしを凝視して、それからポテトを凝視する。
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