Prologue

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『上物じゃないか』 『はい、今までにない代物でございます』 『髪も、顔も、目も、わずか10歳でこんなに綺麗だとは…いいものを手に入れたな…将来が楽しみだ。よくやった。はっはっはっは』 『はい、最初は噛み付いていましたが、もう折れたと思います。抵抗しません』 『そうか。たっぷり時間はあるから手懐けがいがあるなぁ』 『βなので存分にどーぞ』 『あぁじっくりたっぷり毎日な』 初めてこの世で一番恐ろしいものは 幽霊でも妖怪でもなく 人間だと知った。 人間の生態というものは不思議なもので なんでも紙一重だ 心では嫌だと思っていても身体の本能は快楽を求めてしまう神経がある。 死にたいのに死にきれない 死ぬことも許さないこの現状で 俺は心を殺すしかなかった。 俺はただ、平凡にこの世を生きたらそれで良かった。
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