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「当ったり前だバーカ。初めからそう言え」 俺のおでこにちゅっとキスをしてお姫様抱っこすると丁寧に車の助手席にのせてくれた。 「ごめんお待たせ、病院兄貴の行ってるとこだから大丈夫。ちょっと遠いけど、一緒に我慢な」 そう言って俺の頭を撫でる 彼はどこかへ電話してたみたいだ 樹の行ってるとこか1時間弱はかかるな 少し遠いからそこは行ってなかった もう抵抗する気力もあんま残ってない 意識が時々遠のく あぁ、俺本当にヤバいかも このまま死ぬのかな… 「玲、玲、大丈夫か、玲」 雄樹君が頬をトントンと優しく叩く 何度もこの手で触れられてきた ふわっと香る彼の香り だけどこんな風に嗅覚が違う形で もっと鋭敏になるとは思ってもみなかった 思わず勝手に鼻がその手の近くに向かう 「ん…あ…あぁうん…はあ…あの雄樹君…あ…」 意識が戻ると雄樹君はハンドルに手を戻した 「なに?」 「いや…ぅん…やっぱ…いい」 手を貸せなんて言えない 触って欲しいなんて言えない 匂いたいなんて言えない 「なんだよ、言えよ」 気持ち悪がられないかな… 「なんか…ハンカチとか…タオルとか…持ってる?」
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