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「いつどこでくるか分かりません。すぐ会社から出れるように地下に車を回しておきます。そこまではエレベーターで向かいます」 「はい。でもエレベーターで途中で人乗ってきちゃったらバレちゃいます」 「勿論普通のエレベーターは使いません。地下直通の社内VIP専用の方で」 「え、それって社長と副社長専用じゃないですか!そんなの使ったら…もしかして副社長がですか…?」 「そうです。ちゃんとパスコードも聞いてますので御安心を」 「いや、そういう事じゃなくてですね…あぁ……すみません…」 「愛ですね」 羨ましい こんなに愛されてて 「そんな無表情で言わなくても」 「元からです」 元からだったのかさえ とっくに感情を表に出すということは忘れてしまった あ… 危ない…目眩が… 「鮫島さん?鮫島さん!大丈夫ですか?!」 「…すみません、少し目眩がしただけです」 「鮫島さんちゃんとご飯食べてます?」 「えぇ、まぁ」 「鮫島さんって顔も美人で色白だし身体も細いし女性に間違われそう」 「えぇ、…よく間違われます」 それが憎くて仕方ない
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