41人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は目が覚めたら冷たい床の上に
何故か裸でいた
手と足と首輪をされて
昨日まで何の変哲もない暮らしをしてきた
その10年間でさえ夢だったのかと思った
今が夢なのか
いつが夢なのか区別がつかないほどしばらくパニックになった。
部屋の中は薄暗く遥か上をにある小窓から月明かりが射していた。
湿った空気と臭いが鼻を刺激する
ただ動くと体に付けられた鎖のジャラジャラという音しか聞こえない
『母さん…父さん…ここどこ…助けて…』
『クックック…助けになんて来るか。お前は売られたんだ』
どこかで知らない男が喋ってる
『え…』
母さんと父さんが僕を…?
そんな馬鹿な
『お前は一生ここから出られねーんだよ。お前特別良い商品なの。分かる?ボク』
分かりたくもない
分かってしまったらきっと頭がおかしくなる
『ゆっくりゆっくり毎日毎日遊んであげるからね。BOSSにいいお土産ができた』
大人になってわかったこと
ありとあらゆるものは全部ヤラされた気がする
背中には今でもその時の傷が残っている
ろうを垂らされ
ムチで叩かれ
酒を浴びせられ
媚薬も使われ
当時は何が何だか分からなくて
言われるがまま
感じるまま
自分の心から思う感情を捨てるしかなくて
死のうとしても死にきれなくて
毎日苦しみと怒りと悲しみを抱えながら
身体が反応する生理的現象と
バランスが保てないまま時を過した。
もう死んでるも同然だった。
快楽に負けた時刺激を求め続ける人もいれば
俺はその反対でその行為そのまま嫌悪を抱くことしか出来なかった
俺の人生のその5年間はただの性欲処理人形だった。
最初のコメントを投稿しよう!