ピンチョス

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ピンチョス

「じゃあ、パン、は?」 「パン、か。音節が少なすぎるな。」 「じゃ、パイナップル。」 「あ、イイ、それいい。」 「パイナポーは良いんだね。」 「あ、パイナポーは、やだ。パイ、ナッ、ぷる。みたいなのがイイ。タタタッタ、とか、タッタータ、みたいなリズムで。」 「ああ、なんとなくわかってきたかも。じゃあ・・・タンタンメン?」 「だからさ、ぱ行だから。ぱ・ぎょ・う。それならビャンビャンめんのほうがマシだし。」 「そうだっだ。うーん、じゃあ、パングラタン。」 「ん~~、パイナップルの方が近いな。お前の口がさ、最後に『う』とか、『ぉ』ってなる方が。」 「あ!あった。ピンチョス。」 「お?来たんじゃない?結構好きかも。ん、も一個ほしい。」 ん~~ん~~ん~~と・・・ あ、これは? 「カル、パッ、チョ・・・」 「かる、ぱっ、ちょ・・・?」 ぉお?これ。 ちょ、もっかい言って。 かる・・・パッ・・・っちょ。 あぁ。その口。 唇の上の髭がモゾモゾ動いて、最高・・・ 「ね、ぜんぶ、言って」 タラタッタ、タラタッタ、タッタン ぱい、なっ、ぷる  かる、パッ、ちょ  ピン、 ちょす。 ん…ぁ、はぁ。 髭、ん、ぁ。 End
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