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架空の恋人とのお泊りデート
洋平と雪乃の夫婦生活も慣れて来た頃、２人でお酒を自宅で飲んだ
ちょっとほろ酔い気分の洋平が余計な事を言ってしまう
洋平】雪乃の彼氏は寂しがらない？４ヶ月近く会ってないんじゃない？
雪乃はショックを受けるも顔に出したくない‥
雪乃】それでね、来週末に彼の所へ泊まりに行こうと思うの‥洋平もどう？
洋平】そっか‥じゃ俺もそうするよ
お互いに恋人なんて居ない‥何故あんなくだらない見栄をはってしまったんだろう‥
偽装とはいえ、入籍する奴に恋人なんて居る方が可怪しいのに‥
金曜の夜から日曜の夜までそれぞれ架空の恋人と過ごす事になった
当日、洋平は雪乃が居ないので一旦帰宅し、バイクで１人ツーリング旅行へ出掛けた
実家に帰ろうかとも思ったが、雪乃が来ない事に突っ込まれそうなのでやめた
それほど雪乃は洋平の実家で良き妻を演じていてくれた
雪乃もまた同じ理由で実家には帰らなかった
少し離れた満喫と温泉施設にそれぞれ１泊した
お互いに良き配偶者を演じきっていた
本当は‥お互いに受け入れてくれた相手の家族に馴染んでいて帰省が苦痛ではない‥だけ
それなりに相手の実家を楽しんでいただけ
日曜の夜に帰宅予定の２人は寂しさと、虚しさで昼には帰宅してしまった
偶然とは簡単に起こる
エントランスでばったり
洋平】早いね？
雪乃】あ、うん‥ちょっと明日の準備とかあるしね‥彼女寂しがったんじゃないの？
心にも無いことを雪乃は口走る
洋平】そうでも‥ない。じゃケーキでも買ってきてゆっくりしようか？
雪乃】うん‥そうね‥お昼寝しようか？
洋平の側に居る安心感を味わいたかった
洋平は雪乃の寝顔が大好き‥嬉しい申し入れに喜ぶ
架空の恋人との逢瀬をこの２人は７年続けた
全くもってアホだ
それでも２人はこの生活を楽しんでいた
時々苦しくもなるけど‥
そんな苦しみなんて消し飛ぶ位に楽しくって幸福感を味わえる生活だったって事
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