また隣で笑って

1/7
前へ
/7ページ
次へ
「今日からこのクラスに転校してきたになる白里(しらさと)カノンさんです。みんな、仲良くしてあげてね」 「はーい」  この時クラス全員が返事をした。いや、僕一人を除いてだ。僕はこの転校生と仲良くする気が起きなかった。  元々僕は女の子が苦手だったし、できることならあんまり関わらないようにしようと思った。といっても席は離れていたから、話をすることもないと思っていた。  一般的に転校生というのはそれだけで注目を集めてしまうものだ。彼女も例外ではなかった。それに彼女は可愛かった。彼女と仲良くする気にはなれなくても可愛いな、と素直に思った。皆、彼女に興味津々であれやこれやと質問していた。僕はそれを傍目に見ながら早く昼休みにならないかな、などと考えていた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加