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「お手を煩わしてしまってすみません。」
「気にしなくていいよ。それより同い年位なのに何で敬語なの?」
(ハッ!)
今になって気づいてしまった。
今、自分は女子高生だった。
24歳にもなって女子高生になっているなんて言えない!
(会話を合わせないと…えっと)
「あっ…そうだね。ごめん。」
「どこの高校通っているの?」といきなりの質問。
「ゔぇ!?」
突然の質問に変声を発した沙羅は、パニックになりながらも頭フル回転で会社近くの◯◯高校を伝える。
男子はクスクス笑いながらも、
「あ!それって俺が通っている□□高校からそんなに離れてないよね?
でもその着ている制服って◯◯高校のだっけ?」
「あ……最近制服が何種類に分けられていて、私はこっちが好みなんだ。」と自信のない答えを言ってしまったが…。
「ふーん。まあいいか。凄く可愛いから。」とさらりと言った発言に慣れてない沙羅は心臓がヤバかったが、唇噛みながらなんとか落ち着いた。
「あ、そうだ。まだ自己紹介がまだだったね。俺は鹿島。鹿島 風雅(かしまふうが)。17歳。」
「風雅…君?あ…私は進藤沙羅。」
(って本名言っちゃった!こういう時は偽名でしょ!)
どんどん失言ばかりしてしまい、
「沙羅ちゃんだね。どうぞよろしく。」とじっと沙羅の顔を近づけながらも、にこやかに微笑む風雅。
「よ…よろしく…です。」
(が…顔面の…破壊力…ヤバい。)
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