虹色の明日

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 途中、トイレ休憩のためにサービスエリアに立ち寄ると、雨はほとんど止んでいた。  私は、車から降りて大きく伸びをする。すると、お腹がググゥーっと鳴って、昼ご飯を食べそびれていたことを思い出す。  私はサービスエリア内のフードコートで、味噌ラーメンを食べた。  普通のラーメンなのだが、それが期待以上に美味しくて、少しだけ気持ちが満たされる。  満腹で動けずに、しばらく窓の外の明るくなってきた空を眺めていると「ミサト?」と、ワイシャツにネクタイ姿の男性が、恐る恐るといったように私に声をかけてきた。  私は、怪訝に思いながらその男性をまじまじと眺めて、驚きの声をあげた。  「え?もしかして柏谷(かしわや)くん?」  大学時代に付き合っていた元カレだった。    「やだ久しぶり」  「本当、二十年ぶりくらい?…ミサト変わってないな、すぐ分かった」  「え?嘘~…でも…そっちはちょっと太った?」  「大人になったんだ」  あぁ、懐かしいなこの感じ…  二十数年のブランクを感じさせることのない自然な会話。  私は穏やかで優しい彼が大好きだった。  彼とは、就職のために遠距離になって別れたんだっけ…  このタイミングでの再会に、何か運命めいたものを感じたが、それも束の間。会話の流れを断ち切って、私のケータイが震えだした。  一星からだ。
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