虹色の明日

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 読書好きの息子の荷物は本が多く、段ボールたちは重量級だ。  オジサンはフハァフハァ言いながら、額にも鼻の下にも玉の汗を浮かべ、重たい段ボールを一つずつ慎重に運んでくれていた。  賃金を支払い、プロに依頼したのだ。荷物を運んでもらうことは当たり前の事のはずなのだが、必死に荷物を運ぶオジサンの姿を見ていると、なんだかとっても申し訳ない気持ちになった。  そして、なんだかんだと段ボールが最後の二つになった時、何を思ったのかオジサンはそれを二つを重ねて一度に運びだした。  ヨタヨタと運ぶその姿を見て、私は嫌な予感がした。   案の定。玄関を出たところでオジサンの「あぁ~~~」という声と共に、ガランガランドシャーンという大きな音がした。  我が家の玄関の前は六段の階段になっており、オジサンは一つの段ボールを持ったまま、階段の途中で座り込んでいた。もう一つは階段の下に落ちている。    「何やってんだよ!?」  金髪くんが、トラックの荷台から慌てて降りてオジサンに駆け寄る。  「スミマセン…スミマセン…」と、オジサンはバツの悪い表情を浮かべ、慌てた様子で立ち上がり、持っている段ボールを左右に向けたり、置こうとしたりしている。    あぁ、やっちゃったよ…怒られちゃう…
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