456人が本棚に入れています
本棚に追加
/102ページ
今夜は豪が手作りのチャーハンを振舞うというので、咲も一緒にキッチンに立ちサポートした。
神谷家の男たちは料理が得意でないため、男性はシェフでもない限り、料理が下手だと思い込んでいたが、豪は野菜のカットも炒める作業も手際が良く、普段から調理しているのがわかる。
豪は、ご飯にごま油を混ぜておけば、お米がパラパラになるという裏技も披露し、咲を感激させる。
どうしても、彼女の作るチャーハンは毎回べちゃっとなってしまうのだ。
夏樹は料理をちっともしないくせに、咲がチャーハンを作る度に、店で食べるようなパラパラなやつが食べたいと言うので、次回実践するぞと、密かに意気込んだ。
ネギと卵と厚切りにしたベーコンのチャーハンとわかめスープができあがると、冷めないうちに、二人はいただきます、と手を合わせて食べ始めた。
「これ、すっごく美味しいです。お米パラパラでお店で出せそうなくらいです、すごい!」
チャーハンは、塩コショウと醤油のみのシンプルな味付けなのに、咲が作るものよりずっと美味しい。
最初のコメントを投稿しよう!