4. 貴公子の独白〜テオドールSide

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「アリントン寄宿学校までの道の途中に、私の家があります。そこで少し休まれていかれませんか?」 「ありがとう、そうさせてもらえるとありがたいな。もうヘトヘトで…でもさっきも言ったけどそんなに畏まらないで普通に話してよ」 「でも…」 「今は休暇中だしそういうマナーとか作法とかは忘れてのんびり過ごしたいんだ」 アンゼリカは少し困ったようだったけれど、しばらくして分かったと頷いた。 「じゃあ決まりだね。今から君と僕は対等な友達だよアンゼリカ。俺のことはテオって呼んで。親しい人はみんなそう呼ぶから」 そして夏の休暇の間、実家の屋敷に帰る以外は、アスバルでアンゼリカと共に過ごした。 僕がアンゼリカに勉強を教えてあげたり、こっそり学校から借りた本を貸してあげて一緒に読んだり。 天気のいい日は二人で草花を摘みに出かけたり、森の中で遊んだりもした。 暑い日は彼女は靴や靴下を脱いで裸足になって、冷たい川の中へ躊躇なく入ったものだ。 彼女は可愛らしい天使のような見た目とは裏腹に、意外とおてんばでもあって、僕をよく驚かせた。 「もう、それ以上は危ないよ」 「ごめんなさい、でもどうしてもあっち側に行きたくて。テオ、だめ?」 そう小首を傾げながら頼まれると、僕はとても弱かった。
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