まれに見る春の佳き日に

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まれに見る春の佳き日に

「返事はいらないからね。とにかく、すごく好きなんだ。」  告白を、してしまった。  同性の女友達に。  ここに至るまで何度も悩んだ。昨日の徹夜明けのハイで告白している節もあるし、彼女が素敵すぎるからいけないんだと責任転換して。  別の友達に相談したら、『どういう関係になりたいの?』と尋ねられ、そういや考えても自分のものにしたいとか思わないし、体の関係はセクシュアリティの関係で持とうと思えない。なんか、そういうの苦手で。 『恋人になったら、そういうことをしたりは普通できる権利があるから、なったりするもんだよ。イチャイチャしたいとか?』  それも思わない。ボディタッチなどは家族からされても、あまり昔から好きじゃなかった。 『じゃあ、伝えなくていいんじゃない? その先を求めるから伝えるんだと、私は思うよ。ナルシス、みたいな自分本位の考えで伝えるのは別だけど、多分向こうは言われたらなにかしなきゃと焦ると思う。もし、関係が少しでも変わったら?』  ……いやだよ。すごく、つらいよ。
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