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この前のイートインで何か余計なことを言ったかな。
部活のときか? あー顔面にボールぶつけちゃったからか? いやそれは一週間前だろ? そもそもあれは凛花がボーっとしてたわけで……いやぶつけた私が悪いか? それ以外だと……
『ごめんね、私、いなくならないから』
ふいに凛花の声がした。
私が何か言おうとしたとき電話は切れた。
「ちょっと凛花!」
もう電話は切れているのに私は凛花の名を呼んだ。
みんなが「何があったの?」と詰めかけるが私が応えられることは何もなかった。
「うーん、でも凛花は『いなくならない』って言ったんだし、様子みるしかないのかもね」
栞奈の言葉を否定することはできず、みんなは何度か頷いた。
昇降口でたまってても何も解決しそうにもないので、「とりあえず帰ろう。何かわかったらグループチャットに流して」という柚希の声で解散になった。
見上げた空は薄曇りだった。そういえばところにより雷雨って言ってたかな、私は急ぎ自転車で帰った。
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