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舞花の場合
舞花はビルの屋上に立っていた。
会社の非常階段を使ってこっそり屋上まで
来たのだが、こんな夜遅くまで残っている人は
ほぼいないからまず見つかることはなさそうだ。
こんな風に風を肌で感じ取ったのはいつぶりだろう。
秋の入口、少し冷たくて、でも心地よい風。
舞花は屋上の柵に手をかける。
「さて…どうしようかな」
死のうと思って屋上に来たものの、
どう手順を取ればいいのか分からない。
ビルの下には人もいるし巻き込みたくない。
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