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「あの時、自販機の場所教えてもらってありがとうございました。実は面接の日に水筒忘れちゃって、なのですごく助かりました」
「そうでしたか」
変なことを教えて後悔していたけど。役に立ったんならなによりだ。
「すみません、余計なことばかり話してて。それでその、大林さんは今どちらに?」
「サボりに決まってんでしょ。あいつは放っといて、わかんないことは田山さんに聞きな。それが一番早いから」
「ちょっと剛力さん?剛力さんのほうが勤続年数かなり長いし、なんでも知ってるじゃないですか」
「私は流れ作業こなしてるだけ。あんたみたいにソフトとかアプリとかよくわかんないし。ああそれに、上川くん?田山さんって結構可愛いでしょ?ありがたく思いなさいよ」
なに言ってるの??と顔が熱くなるが、上川さんは涼しい顔で頷いている。
「本当ですよね。じゃあ田山さん、僕とか異性としてどうですか?」
剛力さんが飲んでいたお茶を吹き出した。
「あんたノリいいわねっ」
本当に。上川さんまで悪乗りして言うのでこっちが一方的に恥ずかしくなる。
「もうっ!お2人とも、そういう話はいいですから。それに私、年上の人が好みですっ」
って。私も何言ってるの??
剛力さんと上川さんが声をあげて可笑しそうに笑っているので、さらに恥ずかしくなって俯いてしまった。
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