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<鳥になって自由に空を飛んでみたい>
きっと、誰もが一度は思ったことがあるだろう。
主人公・森川勇人。
子供の頃、両親と一緒にドライブへ出掛け、衝突事故に巻き込まれた。運転をしていた父と、勇人をかばった母、二人ともが死んでしまった。
勇人は奇跡的に助かったが、壊れた座席シートで挟まれた右足を失い、車いす生活になった。父方の祖母に引き取られ、家と病院の往復以外は引きこもりがちになり、学校も不登校を続けている。
(鳥になりたい。)
勇人は、晴れた空を見上げ、そんなことを考えていた。
「危ないっ!」
一台の車が、大きなブレーキ音を響かせ、交差点に飛び込んで来た。
(体が痛い。)
地面に倒れ、少しだけ動く腕を持ち上げると、血まみれになっていることがわかった。
(あぁ、僕は死ねるのか。もし、生まれ変わることがあるなら、鳥がいい。渡り鳥になって色んな場所に行ってみたいな。)
「勇人っ!」
(父さん?そんな訳ないか。)
意識が薄れ、視界は真っ暗になった。
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