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えっ・・・?
「どうし・・・て・・・っ?守理兄さん」
(お兄ちゃんがなぜここにいるの?)
「こんなところで温々生きてんのか?
はっwありえないわ。李結つーか話せるようになったんだなw」
「はい、友達のおかげで話せるようになりました。
でも温々って・・・そんなはずは・・・決してないです・・・」
「生意気だな〜?そんなはずは決してないです??んなはずがないだろ!
妹のくせずっと懐きは悪いわ、静かで何も言わないわ、
歩月家の恥だわ、周りに笑われるわ、そのくせ便利そうな駅つかってるわ…」
(はやく家に…帰りたい…聞きたくもない)
「ごめんなさい、もう電車出発してしまうから。今日は家に帰ります。」
そう駆け出すわたしの足に別の足が引っかかる。
「ちっ・・・」
その足は舌打ちと同時に動いた。
私の背中に兄の両平手が強く押し倒すように当たり、
階段から足をすべらせた。
「もうやめて!お兄ちゃん!!ぃやっ!」
そう小さく叫びながらわたしはどんどん下に落ちていく。
わたしの叫びは静寂な駅のホームに響く。誰かが階段を駆け上がる音とともに。
たぶんお兄ちゃんだろうな・・・
わざとじゃ・・・なかった・・・のに・・・どうして・・・お兄ちゃんは・・・
痛いよ・・・たすけてよ・・・やめてよ・・・どうしてよ・・・お願い・・・
泣きながら落ちる私にコンクリートの硬い階段が次々と当たっていく。
もう・・・耐えられないよ・・・神様・・・
ー わたしはなんのために
なにをするために
だれのために生まれてきたの? ー
もう、無理。
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