0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
コンビニで買い物をしていたら、店内にいた小学生くらいの男の子が、驚いたような目で俺を見ていた。
子供にそんな顔をされる理由が判らず戸惑っていたのだが、しばらくその子を窺っていたら、視線が、俺の股間に向いていることに気がついた。
あ。さっきコンビニに入ってすぐ、トイレに駆け込んだのだが、その時ファスナーを上げ忘れていた。
確かに恰好側いけれど、ちょっとファスナーを上げ忘れたくらいで、そんなに驚いた顔をしなくてもいいんじゃないか?
そんなことを考えながらファスナーを上げようとした時、冷蔵コーナーのガラスに自分の姿が映った。
開いたファスナーの奥に広がる、宇宙空間のような光景。一応断っておくが、これ下着の柄じゃない。その証拠に、その空間では何かが絶えず動いているのだ。は
下がったファスナーの中にこんな景色が見えたりしたら、そりゃああんな顔にもなるだろうよ。
もう一度トイレに飛び込み、ズボンを下ろして内部を確認する。けれどそこにはもう宇宙空間はなく、ただ、普通に下着を穿いているだけの下半身が存在していた。
さっきのあれは何だったのだろう。俺の大事な部分が宇宙空間になり、そこに何かがいる…二度とあんなものは見たくないから、これからはトイレの後、ファスナーの上げ忘れは絶対しないようにしよう。
社会の窓…完
最初のコメントを投稿しよう!