Crash!〜元魔王と元騎士の優雅なる?転生生活〜

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とは言え、何故、全て捨てた筈のスキルが残っているのか。 確かに、『鑑定眼』のスキルは、元の世界では誰もが持っている様なスキルで、所謂『チート』と呼ばれるスキルではない。 (それでも、全てを投げうったからこそ、王真に出逢えたのではなかったのか……?) 何となくその事が気になった私は、今も目の前で「どうしたんだ、どうしたんだ」としきりに騒いで――もとい、構ってくる兄に全てを打ち明けた。 数分後。 「霊感なんて嫌だぁぁ〜!」 幼稚園児の様に、目の前に転がり駄々を()ねる18歳。 私はそんな兄を器用に避け、室内のミニ冷蔵庫からコーヒーのペットボトルを取り出すと、よく冷えたそれを喉に流し込む。 そうして、甘党な兄の為にオレンジジュースのペットボトルも取ってやりながら、ふと呟いた。 「それにしても……やはり、何故私達にスキルが残っているのだろう」 と、不意にキィィと部屋のドアが開く音がする。 同時に、 「それに関しては私達がお答えしますにゃぁ!」 「だにゃぁ!」 という、何とも幼い声が私の部屋に響き渡った。 「な、なんだなんだ?!まさか幽霊?!」 超速で私に蝉の様にしがみつきながら、声のする方を振り返る王真。 私も彼と同様、声のした――部屋のドアの方に視線を向けてみる。 するとそこには、うちで飼っている2匹の猫達がいた。
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