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「折角、平和な異世界に転生出来たと思ったのに……」
これでは、全てが台無しじゃないか。
私がそう落ち込んでいると、慌てた様に猫達が声をかけてくる。
「それは誤解なんですにゃっ!」
「そうにゃそうにゃ!」
「私達は、確かに魔物を止めることは出来ませんでしたにゃ。でも、弱体化させることには成功したんですにゃ」
頑張って2本足で立ち、私の右膝に前足を乗せながら、必死にそう弁明する白猫。
すると、黒い猫の方も同じ様に私の左膝に2本の前足を乗せながら、力説してきた。
「にゃっ!私達は、魔物がこの世界に到着する寸前、女神の呪いをかける事に成功したんだにゃ!」
「女神の呪い……?」
聞き慣れない言葉に首を傾げる私。
すると、黒猫が「ふふん」と胸を張り、とても誇らしげに説明してきた。
「女神の呪いっていうのはにゃ、簡単にいうと相手を超弱体化させる呪いのことにゃ。これは、かけた女神にしか解けないし、何処に逃げてもずーっとかかったままなんにゃよ」
「成る程。つまり、この日本に来た魔物達は、お前達の呪いとやらで弱体化していると言いたいんだな?」
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