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私に鑑定眼が残っていた意味はわかった。
が、私が質問をするより早く、王真が口を挟んできた。
「ちょーっと待て!なら、雄英の鑑定眼だけで十分じゃん!何で俺には霊感なんてやな機能がひっついてんだよ!」
出来るなら霊感を外して欲しいのか、兄は猫達に必死にそう言い募る。
と、黒い方の猫がしれっと言った。
「魔物によっては姿を隠すのが上手い奴もいるからにゃ。この世界のモノに擬態してるやつを見破る時には、鑑定眼より霊感の方が役に立つ可能性もあるんにゃ。それに、鑑定眼を酷使すると、騎士王子の体力にも関わるからにゃ」
「うぅ……」
私の体力のためと聞かされては返す言葉もないのか、途端にトーンダウンする兄。
そんな弟思いの兄の気持ちを嬉しく思いつつ、私は話をまとめた。
「つまり、私と王真が魔物を見つけ、お前達に知らせればいいんだな?そうして、お前達が魔物を狩る、と」
「「にゃぁっ!」」
私の言葉に勢いよく頷く猫達。
(まぁ、弱い魔物を見つける手伝い位なら良いの、か……?)
私はそう自分を納得させつつ、女神猫達の頭にそっと手を置いた。
猫達は、気持ちよさそうに瞳を閉じ、ごろごろと喉を鳴らしていた。
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