Crash!〜元魔王と元騎士の優雅なる?転生生活〜

20/52

1217人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
翌日、猫達は勿論家で留守番をさせ、学校に向かった私と王真。 と、昇降口の辺りが何やら騒がしい。 「なんだなんだ?どうしたんだ?」 持ち前の強い好奇心で、私の手を掴んだまま、どんどんと人だかりの中に身を投じていく王真。 兄に手を引かれるまま、私も沢山の人が集まるその中心へ、ずるずると引きずられていく。 すると、その中に兄の友人らしい生徒がおり、何が起きたのかを詳しく話して聞かせてくれた。 「なんかさ?高校なのに、トイレの花子さんが出たらしいぜ?」 「トイレの花子さん?!」 怪談が苦手な王真――私の手を掴む彼の力が格段に強くなる。 しかし、友人の前で情けないところは見せられないとでも思ったのか、兄はしれっと平気そうな表情をしたまま、会話を続けた。 「花子さんなんて小学生か……精々、中学生位までのもんだろ?高校に出るなんてありえねーよ」 しかし、兄の友人は真剣な表情を作ると、声を顰めてこう告げる。 「けどさぁ?現に、うちのクラスの女子が見たらしいんだよ。しかも、そいつと同じグループの女子が、花子さんに呪われちまったみたいなんだ」
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1217人が本棚に入れています
本棚に追加