Crash!〜元魔王と元騎士の優雅なる?転生生活〜

22/52

1217人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
放課後。 花子さんのことが気になり、私は嫌がる王真を引きずる様にして、女子トイレの前に来ていた。 各休み時間を使ったここまでの調査で、あのずぶ濡れの女生徒は、王真と同じ学年の生徒だということが判明している。 (つまり、当然ながらというか、あのおかっぱの女の子の方が花子さんなのだろう) 幸い、私の鑑定眼でも彼女の種族はただの霊だと表示されていた。 つまり、魔物ではなく、所謂本物の幽霊というやつなのだろう。 なので、本来私達が関わる必要はないのだがーー。 あのずぶ濡れになった少女の眼差しーー。 あの瞳が、昔故国で見た……魔族に全てを蹂躙され、生きる気力を失くした民のソレに非常に似ていて、私はどうにも気に掛かっていたのだ。 こうして、女子トイレにやってきた私達。 が、当然のことながら男子である私達は入れない。 故に、トイレの外から呼びかけてみる事にした。 「花子さん?君と話がしてみたいんだ。……あのずぶ濡れになっていた生徒の件について」
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1217人が本棚に入れています
本棚に追加