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「彼女は、私を信じて、話しかけてくれた。最初は怖がらないのが癪だったけど。でもね?あの子は毎日、トイレに花を飾ってくれたのよ。あの子の実家は花屋でね?毎日毎日、違う季節の花を持ってきてくれたの。そうして、私に話しかけながら、毎朝、あのトイレに花を飾ってくれたのよ」
ーーその、朝のほんの少しだけの時間が、私には何にも代え難いほど大切で、幸せだったの。
しかし、花子さんはそこまで話すと、不意に俯き、きゅっと唇を噛んだ。
そうして、苦しそうにーー吐き出す様に、続きを告げる。
「でも、あいつらが……私から、全てを奪ったの」
花子さんのその言葉に嫌な予感を感じる私。
(きっと、愛美さんとやらと花子さんに、何か良くない事が起きたのだ)
だから、花子さんは怒り、あの運ばれた女生徒に何らかの危害を加えたのかーー?
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