Crash!〜元魔王と元騎士の優雅なる?転生生活〜

40/52

1217人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
「でも、どうするんにゃ?あいつ、今、メチャ強なんにゃろ?」 不安そうな声でそう話しつつ、私達を見上げてくる黒猫。 その黒猫の言葉に、私と王真ははたと足を止める。 (そうだった……) 前世を思い出したが故、私は騎士の気持ちになっていたがーー『今』の私は、何の力もないただの男子高校生なのだ。 このまま行ったら、今度こそ水の弾丸に蜂の巣にされて殺されるに決まっている。 と、先程から黙って何か思案している様子だった菜乃が、徐に口を開いた。 「あなた達……前世では、とても強かったのよね?」 菜乃の言葉に、取り敢えず頷く私達。 自分で自分を強いと褒めるのも何だかむず痒いが、少なくとも私は、剣術の腕ならば故国で一番の腕前だった。 一方、 「俺はさー?こう見えて、すばしっこさを活かした体術と、闇魔法が得意だったんだぜー?」 自慢げにそう語る王真。 すると、何やら考え込んでいた菜乃が、ゆっくりと顔をあげ、私と王真の顔を交互に見つめて来た。 「もしかしたら……この策なら、いけるかもしれないわ」
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1217人が本棚に入れています
本棚に追加