1217人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
数時間後。
学校のトイレに先回りしていた私達は、女子高生達を連れた花子さんと対峙する。
女子高生達は水の球の中に封じ込められている為、安否が心配だ。
(最悪の場合、早く決着をつけなければ、あの女子高生達が溺死してしまう恐れがあるな)
私は、目で菜乃と王真に合図を送った。
同時に、呪符を四方に散らばらせ、この場所を空間ごと異空間に隔離させる菜乃。
「これで、大きな被害は出ない筈よ。……まぁ、この符と私がどれだけもつかだけどね」
彼女はそう語りながら、今度は懐から別の2枚の符を取り出した。
そうして、鋭い声でこう叫ぶ。
「おいでませ、十二天将……闘神青龍、舞神天乙貴人!」
瞬間、片方の符からは東洋風の甲冑を身に纏った蒼い龍が、もう片方の符からは羽衣の様な比礼を身につけた月色の天女が姿を現す。
最初のコメントを投稿しよう!