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そうして、憑依に成功した私と王真。
私は大いなる闘神青龍の力を借り、王真は妖艶なる天上の舞姫天乙貴人の力を借りて、死霊伯爵に憑かれた花子さんに戦いを挑む。
「何故……?!何故止めるの?!」
悲痛な声でそう叫びながら、無数の水の弾丸を繰り出してくる花子さん。
私達がそれらを全て引き付け、その隙に菜乃が人質の確保に走った。
菜乃は急いで人質達の元へと駆けつけると、直ぐにその安否を確かめる。
(人質達は皆、無事なのか……?)
花子さんと戦いを繰り広げながらも、菜乃からの合図を祈る様な気持ちで待つ私と王真。
すると、人質の安否を確かめていた菜乃が、私達に向け、両手で大きく丸を作ってみせる。
今は気絶してしまっているものの、どうやら、人質達は全員無事だったらしい。
私と王真は安堵の息をつくと、目の前の花子さんに向き直った。
「さぁ、これで残るはあいつをぶっ倒すだけだぜ!」
愛くるしい容貌で、物騒なことを言い放つ兄。
だが、私は兄の言葉に静かに頷いた。
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