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あれから3日後。
私と王真、それに菜乃の3人は、汐留シティセンタービル内にあるフードコート――そのテラス席にいた。
「それで?あの愛美って子やその子をいじめてたやつらはどうなったんだ?」
ハンバーガーをもしゃもしゃと齧りながら、菜乃にそう問いかける王真。
ちなみに、今日は休日で、屋外にあるテラス席は旅行客やショッピングの客でほぼ満席だ。
だからこそ、ここまで混雑し、ざわついていれば、私達の会話が多少漏れ聞こえても問題はないだろう。
そう考えた菜乃の提案で、この場所に集まった私達。
目的は勿論、あの事件の顛末を聞く為だ。
(所謂、木を隠すには森の中、だな)
そんなことを考えながら、私はよく冷えたコーヒーを口にする。
隣で、兄が私のフライドポテトを数本盗んで行ったが、見ていないことにした。
と、私達の向かいで豪快にカツ丼を頬張っていた菜乃が、緑茶を喉に流し込んでから、口を開く。
「その件だけど。いじめについては、学校に報告しておいたわ。お節介かもしれないけど。私も、やっぱり見て見ぬふりをするのは嫌だったし。だから、数日以内には何らかの結果が出るのではないかしら」
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