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その後、私達は家に帰る道すがら、改めて互いのことを話し合った。
「ったく。ユージーンは思い出すのが遅いよなぁ!俺なんて、小学生の頃から、もうお前のことも前世のことも思い出してたんだぜ?ほら、俺がプールで水没して生死を彷徨った事件があったろ?あの時だよ」
「ああ……あの時か……」
成る程。
私同様、リスティファも死にかけたことで前世の記憶を取り戻したらしい。
「しかし……平和な世界で、今度こそ、友と傷つけ合わずに暮らしたいとは願ったが……まさか、またお前に逢えるとは……」
と、私の言葉ににぱっと笑う王真。
「そりゃぁ、俺達の願い事が一緒だったからじゃねぇの?」
「一緒……?」
王真の言葉に首を傾げる私。
私は、暫しその言葉の意味を考え――はっとした。
「まさか、お前も同じ事を願ったのか?」
「おうっ!」
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