嘘つきの日

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「別にいいけど……着替えとかあんの?」 「心配すんな。俺は下着だけありゃいいよ」  旺太はへらへらと笑う。  そんな彼に玲はジト目を送った。 「その格好で外を出歩くな!せめて上だけでも着ろ!」 「えー……暑いからやだ」 「じゃあ、私の家へは立ち入り禁止で」 「うそうそ。冗談だって」  軽口を叩く旺太を、玲は呆れ半分で睨みつける。 「ほんと調子いいんだから」 「へへ、でも玲も俺のそういうところも好きだろ?」 「……まあね」 「お?今日はやけに素直じゃん」 「うるさい!ほら、さっさと帰るぞ!」  玲は照れて顔を赤らめながら立ち上がり、家に向かって歩き出す。  そんな玲を見て笑いながらも、旺太も後を追った。  二人はこのようによくお泊まりする。しかし、“そのような”仲ではない。  よき友人関係と玲は思っている。  この日も、玲の家でダラダラしながら他愛もないやり取りを楽しんでいた。玲の推しのゲームを二人でプレイし、旺太が選択肢をミスってフラれるエンドになる。  二人で発狂しつつ、大笑いした。
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