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嘘つきの日
玲と旺太は同じ高校の先輩後輩。
下校途中、財布をなくした玲のところに偶然にも届けたのが旺太だった。
彼の見た目にギョッとしつつも、親切にされたことに玲は感謝をする。
そこから、偶然会えば少しずつ話すようになり……
気づけば、いつも隣にいた。
雑なのに少し乙女なところもある玲が素直になれる唯一の相手が旺太。
「あーー!推しのガチャ爆死!もう辛い」
公園のベンチに座り、スマホでソシャゲをしていた玲は目当てのガチャが出ず、頭を抱えて嘆いた。
そんな彼女を見て、旺太は微笑む。
「元気だせよ。ほら、これやるからさ」
旺太の手には限定のお菓子。それも玲の推してるキャラのイラストパッケージだ。
玲は歓喜して飛びつく。
「え?いいの!?ありがとう!!」
「その代わり、俺の頼みも聞いてくれよ」
旺太は玲の隣に座り、下から顔を覗き込むように見上げる。
あざとい、そんなテロップがつきそうな場面。
しかし玲は相手は気心のしれた旺太だと冷静になり、お菓子の封を切りながら頷いた。
「なに?」
「今日、玲ん家泊まっていい?明日休みだし」
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