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夜ご飯を食べながら、ナナミはコージに聞いてみた。
「ウェディング情報誌を捨てようと思うけど、いい?」
コージはウェディング情報誌のことを覚えていなかった。
じゃあ、勝手に捨てちゃっても良かったなとナナミは思う。
荷造りはナナミに任されているけど、一応コージの顔も写っている雑誌なので、お伺いを立ててみたのだった。
どんな雑誌かの説明をすると
「持っていけばいいじゃん」
とコージは言う。
ものすごく重くて、ものすごく分厚くて、ものすごく開けにくいことをナナミは説明する。
それでもコージは意見を変えなかった。
「いくら今度の家の方が狭いって言っても、雑誌くらい置けるでしょ」
コージは雑誌を見たいとは言わなかった。
でも、持っていくと譲らなかった。
ナナミの提案はまず断らないコージなのに珍しい。
「コージは結婚を後悔していない。私、まだまだ愛されてるな」
ナナミは感じた。
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