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久しぶりにウェディング情報誌を開いてみる。
付箋をつけてあるから、どこのページかは分かっている。
それでも、重たくて開くのが大変。
6年前のナナミとコージの満面の笑みの写真が目に飛び込んできた。
“やっぱ、良い写真だな”
贔屓目なしに素晴らしい写真だとナナミは思う。
幸せオーラが溢れているのが分かる。
雑誌に載るなんて、この先の人生であると思えない。
すごく良い思い出で、素敵な記念。
だから、残しておきたい気持ちはある。
だけど、雑誌を手に取るのは久しぶりだった。
以前は家に友だちが遊びに来ると見せていたけど、新婚の時期を過ぎると、もう止めようという気になった。
いつまでも結婚式にしがみついてるみたい。
なにより、重い。
本当に物理的に重い。
気軽に開けるシロモノではない。
あと、ページがツルツルした薄い紙で出来ていて、雑誌全体がすぐにフニャっと折れ曲がる。
その持ちにくさも、見る気が起こらない原因だった。
手元に置いておいてもこの先、見ないんじゃないかな。
それだったら、こんな重くて場所をとる雑誌は思い切って処分したい。
過去は置いていくという意味でも、良い機会だとナナミは思った。
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