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子どもができないと分かって、コージがショックを受けていることにナナミは気づいていた。
コージは落ち込んでいないフリをしてた。
フリだと分からないくらい、ちゃんと演技してくれたら、もっと良かったのにとナナミは思う。
でも、それを求めるのは意地悪だとも分かっていた。
自分の気持ちは隠して、ナナミに気を使わせないように振る舞うコージは優しいと思う。
ナナミが仕事を辞めることに、コージは何も言わなかった。
子どもができないんだったらバリバリ働くという考え方もできる。
だけどナナミは、どうしてもモチベーションを保てなかった。
子どもにお金がかからないなら、コージのお給料だけでやっていける。
コージはナナミがやりたいようにさせてくれた。
ナナミが家で一人になりたいなら、そうすれば良い。
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