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「じゃあ、彼女が誰か他の奴と付き合って、結婚とかになったらどうするんだ?」
今、めぐり合わせての通知音が聞こえてその画面を見た新郎が彼に話しているが、その彼は朗らかにも笑って「それは祝福するよ」と余裕を見せている。
新郎は少しまじめな顔になり「ホントーにそう思ってるのか?」と聞くので彼はずっと考えていたことなのですんなりと「もちろんだよ」なんて表情もそのまんまに返している。
彼の表情を見て新郎はまたスマホに向かう。その時にはもうなんらかの決心を持っているみたいに思えたが、彼は気にもしてない。
メッセージを受けた新婦はまた一つため息を吐いてから彼女を見つめる。
「なら、彼に好きな人を紹介されたらおたくはどうするの?」
少し離れた部屋で語られた質問と似たことを語る。
そしてこちらも覚悟していたのかすんなりと「そうなれば、お祝いするくらいの覚悟はあるよ」と彼女は笑顔を見せていた。その笑顔に対して、新婦は怖い顔になり「二言はない?」と聞いてみると「うん!」と自信ありそうに彼女は言い放つ。
どちらも似た者同士ということなのだろう。こういうのは良くあることで仲の良い夫婦なんてのはお互いが補い合うのではなくて、似ていて問題を解決できないなんてこともある。まあ一つの指標みたいなもんなのだ。
彼女の言葉を聞いた新婦は「エイプリルフールミッションスタート」という文字をスマホで送信した。それは新郎である新郎の元に届く。その時に彼の姿を見てこちらは深いため息と一緒に深呼吸をして頷いてた。
「悪いけど少し彼女と話したいんだ」
もう準備万端整っているので式場スタッフでもないが「もちろんだ」と彼は席を外すように部屋を出ようとしたが「違う。お前の想い人のほうだ」と予想外の言葉を聞いた。
彼は疑問符を表情に浮かべて「別に構わないだろうけど」と言うところで「お前には俺の嫁が話があるらしい」と更に疑問になる言葉がある。
全然意味がわからずとも彼も新婦とは友達だから困ることもなく、控え室のほうに向かうと、向こうから自分と同じような疑問の表情の彼女を見つけた。その瞬間に彼の心は踊り嬉しくさえなる。
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