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『魔大陸旅行』
「と言う訳でみなさん、一週間後に私達は魔大陸に向かって魔王剣術魔法学園に向かう事になります。くれぐれも礼儀を忘れないように。」
「そんなのあるんだ。初めて知ったなぁ」
「アビスさん、やっぱり何処か抜けてますね。そういうところも可愛くて好きなんですけど。」
「そ、そう?嬉しいな。」
「魔大陸合同授業ですね。割とこの学園の有名イベントですよ。」
サーヤが言うには毎年この時期になると二週間程魔大陸の方で授業を受けて魔族との信仰を深めるのだと。
まぁ後は名ばかりで実際はプライドを賭けた剣術試合があるんだって。
それが魔大陸が合同授業らしい。
「それ行かなきゃだめかな?」
「だめです。私も行くんですしアビスさんが来ないってなったらアズサさんも休みそうですしね。アズサさんはこの学年の主力なんですから。確か剣術試合の出場者だった筈ですし。」
「うへー。めんどいなぁ。」
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一週間が経った。そして私達は魔大陸に着いた。
「ようこそ、人間の皆様。我がこの魔大陸を支配する魔王である。此度はよくぞ来てくれた。歓迎するぞ。」
魔王って言う人が出迎えてくれた。
おやおや魔王と名乗るだけの事はある。
エルメスより強そうだ。
「ちょっとー何か失礼な事考えてない?」
そんな事ないよ、エルメス。というか私の脳内に直接話しかけるのはやめて欲しい。びっくりするから。
ぞろぞろと学園に入っていく生徒達。
私は一番後ろに並んでいたので最後になってしまった。
「おい、そこのお主。」
「私ですか?」
「そうじゃ、お主以外に誰がおるというのじゃ。」
「魔王様が何か御用で?」
「魔王などと呼ばんで良い。我の名前はヨル・エイアスじゃ。気軽にヨルと呼んでくれ。ところでお主、珍しいモノを宿しておるようじゃな。そうじゃろ、エルメス。」
「あらー良くわかったわね。ヨル。」
私の中から実体を伴ってエルメスが出てきた。
「エルメス、ヨルさんと知り合いだったの?」
「知り合いというより腐れ縁というやつじゃな。」
「そうね。」
「仲が良いようでなにより。」
「あ、そうだ。貴女に私のご主人様は渡さないんだからね。ご主人様は私のなんだから。」
「ほぅ?これは面白い事を言うな、過去の英雄よ。我は我が嫁にしたいと思った者を嫁にするのじゃ。貴様に許可を取る筋合いなど無かろう?」
「うぐっ。い、いや〜そう言う訳じゃないっていうか〜でもでももうこの子には二人の伴侶がいるんだから!貴女の席は無いわよ!」
「二人伴侶があるのか。ならその三席目に我が立候補しても良いかよの?アビスよ。」
「い、いや〜まだお互いそこまで深い関係でも無いですし。」
「ならこの二週間でそなたの伴侶になれるよう頑張ろうかの。」
「フンッだ!どうせあんたなんかには無理何だからね!」
「それはやってみねば分からぬだろう。」
バチバチッと二人の間で火花が散る。
いや私の意見は?
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