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『アズサの成長』
「アビスさーん!!見ましたかー!?」
こちらに向けてローゼ王女が手を振ってくる。
無視するわけにもいかないので手を振りかえす。
「あうっアビス様からお返し…が。」
ローゼ王女は倒れた。
「えっ!?」
そのまま担架で医務室へと運ばれていった。
大丈夫かな。
「アクシデントはありましたが!次は序列7位の試合です!」
とまぁそんな感じでアズサの出番が回ってきた。
「アビス行ってくるね。」
「うん。応援してるよ。」
私はアズサの頬にキスをする。
「ふにゃっ!?」
「…その…頑張ってきたならもっとしてあげるから…」
恥ずかしい。今の私の顔は真っ赤だろう。
「うおっしゃー!!頑張るぞー!」
そのままダッシュで闘技場に行ってしまった。
「アビスさん。私にはしてくれないんですか?」
「で、でもサーヤはその…出ないでしょ?」
「それでもしてほしい物はしてほしいんですけど?」
「あーもう分かったってばぁ。」
サーヤの頬にもキスをする。
「ありがとうございますっ♡」
「うぅ。」
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アズサはかつてないほどやる気に満ち溢れていた。
なぜなら世界で一番可愛い彼女からご褒美が貰えるのだから。
何をしてもらおう。
看護師服にコスプレしてもらってもいいし色々なプレイを頼めるかも…
「やぁ、君がアズサか。」
「そういう貴方はレイン・ダーストね。」
「おや僕の事を知っていたなんて。嬉しいねぇ。」
どこか飄々としていて掴みどころが無い。
そんな印象を感じさせる。
こいつは強い…
「アズサ、レイン!よーい始めっ!」
「はぁっ!」
「おっと危ない。」
開始とともに放たれた一撃をレインは危なげなく受け流す。
レインは体勢が崩れたアズサの腹部を斬ろうとするが
「っぶな!」
アズサのギリギリの間合いで避けられる。
「……見た事無い流派だ…美しい。君はどこの流派だい?」
「私の流派は私の愛してる人から学んだ。」
「ほう?その君の愛している人…とは?」
「教えるわけないでしょ。」
「そうか…残念だっ!」
「っ!?」
一瞬で間合いを詰められ傷を負う。
「クッ!」
「どうだい。僕の剣技は。ただ魔力で強化するだけじゃない。更に呼吸や足運びにも変化を入れるんだ。」
「…ふぅ。」
「ん……?」
アズサの纏う空気が変わる。
「神装第一段階「ロードアビス」」
「神装か。」
アズサの事を侮っていたかもしれない…と。
アズサに対して警戒を一段階上昇させる。
「見事だ…研ぎ澄まされている。もしかして君も神装の第二段階へと到達しているのではないかな?」
「まぁまずは様子見だよ。」
アズサは間合い外で剣を振るう。
本来なら意味のない無駄な動作だ。
だが
「僕の頬に…傷が?いつの間に…成程そういう事か。」
「どうよ。私の神装は?」
「かなり強力な効果の神装だ…これは僕も神装を使った方が良さそうだ。」
剣を正眼に構える。
「神装第一段階「スペースド」」
蒼い魔力がレインを覆う。莫大な魔力だ。
「さぁ第二ラウンドだ!」
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