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『一瞬』
「アビス・ローライ、両者…始めっ!」
私と相手が剣を構える。
「君が噂のアビスさんか…」
「噂?」
「あぁ、そうだよ。序列最下位付近から一気に序列二桁まで上がり更に今は一桁だ。それがこっちでも噂になってるんだよ。」
「あぁ、そういう。」
「君の化けの皮剥がしてやるよ!」
大量の魔力を込められた振り下ろし。
だが…
「ハッ。」
ボーーーン!
「ガハッ…今何…を…」
気付けば相手の…誰だっけ?
相手が闘技場の端に吹き飛ばされていた。
観客は静まりかえっていた。
相手はまともに動けない。もう致命傷のようだ。
「普通に斬っただけだけど。」
「ハ…ハハっ。成程っ卑怯だな!お前。」
「卑怯?」
「そうだよ!まさかもう神装を使っていたなんてな!」
「いやエルメス居ないし…」
「まぁいい。お前が神装を使っているならこちらも使わせて貰おう。チビだからと油断していたが本気を出すとしよう…」
剣を支えにして立ち上がり…
「神装「アイアン」」
相手が段々鉄に染まっていく。比喩ではなく実際に。
「僕の神装の能力は鉄化。体のどこでも鉄に出来るし剣に魔力を通し更に鉄による強化を加える!」
「……」
「死ねぇ!」
多分本当に威力も高いし速さもかなりだ。
でも…弱い。
かなりの威力を持つ剣を回避してそのまま相手の腹に蹴りを入れる。勿論魔力で強化したら死んでしまうので素の身体能力でだ。
「ガバァッ!」
蹴りを入れるとまたさっきと同じ所に吹き飛んでいく。
流石にこれで終わりだ。
面倒くさいしとっとと終わらせたかったのだ。
こんなどうでも良いことであの二人との時間を奪われるのは嫌だし。
「………」
「………」
「うおー!さっすが私のアビスー!」
「アズサさんのじゃありません!私のです!」
「なんじゃとー!?」
「なんですかぁ!?」
「勝者!アビス!」
私は踵を返し立ち去る。
彼は医務室に運ばれていった。
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〜作者の後書き〜
前回何故アズサが勝てたのか。
これに関してはアズサが神装の能力を発展させているというのがあります。
その発展上でアズサは真空刃を座標に固定して
相手が来た瞬間にそれを発動したという感じです。説明不足で申し訳ありません。
勿論アビスには効きませんしそもそもアビスは
魔力で常に周囲の気配を感じているので空間の認識能力が高いんですよね。
まぁアズサ達の方がベッドでは強いみたいですが…。(まぁロリだししょうがないよね。)
〈あとがき〉
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