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【40】タブレット
翌日、桜庭が目覚めた時は午前10時を過ぎていた。
中々寝付けなかったし、身体も疲れていた。
目覚めるともう桐生は普段着に着替えていて、桜庭が「駿くん、おはよう」とベッドから声を掛けると「お、起きたか。おはよう莉緒」と笑顔で言った。
「メシの準備してくるから、莉緒は顔洗っちゃえよ」
「うん」
桜庭が洗面を終えて桐生の部屋に戻ると、サンドイッチやヨーグルトやアイスコーヒーがテーブルに並んでいた。
「莉緒が寝てる間に買いに行って来たんだ」
そう言って桐生が照れ臭そうに微笑む。
「そうなんだ。
駿くん、ありがとう!」
「どういたしまして。
じゃあ食べようぜ」
「駿くん、食べて無いの?」
「莉緒が起きるの待ってた」
「駿くん…」
桐生のやさしさに、桜庭は胸がほんのり暖かくなった。
昨日のことが夢のように思える。
今にも桐生が「メシ食ったら莉緒の好きな映画でも観るか」といつものように笑って言ってくれそうな気さえする。
二人はテレビを観ながら楽しく朝食兼昼食を終えた。
桜庭は「ごちそうさま!」と言って、自分もパジャマから着替えようとした。
下着一枚になると、桐生が桜庭の手を引いて、桜庭はあっという間にベッドに転がされた。
「駿くん…?」
桜庭は、ベッドの上で膝立ちになって桜庭を見下ろしている桐生を見上げる。
いつの間にかテレビは消されていて、部屋は静まり返っていた。
桐生は無言で桜庭の下着に手を掛けると、するすると足から抜く。
桜庭はセックスするのかな?くらいにしか思わなかったが、桐生と少し遊んでいたかったのでちょっと残念だった。
桐生が桜庭の両足をM字に開く。
そして手首を掴まれた。
「え…」
桐生が素早く右手首と右足首を柔らかい紐のような物で縛った。
「しゅんく…」
桜庭が抵抗する間も無く、左側も同じように縛られる。
「この紐、母さんのお気に入りのフカフカのタオルを切ったんだ。
跡はつかないから安心して」
桐生はやさしく微笑むが、桜庭は引きつった顔をした。
「こんなのやだ…。
駿くん、ほどいて」
桐生は、桜庭の声など聞こえていないように、手に持った小さな銀色の包みをパチッと音を立てて開け、中から細長い錠剤のようなものを取り出した。
それを桜庭の足の間に置くと、手をジェルで濡らす。
「莉緒」
桐生の静かな声。
「俺に『お助けマン』のメモを見せる気になった?」
桜庭はフルフルと首を横に振る。
「だから、それは出来ないって…」
「じゃあ、仕方無いな」
桐生は錠剤を掴むと、桜庭の蕾に指を差し込んだ。
「ああっ…」
桐生の指は前立腺を掠め、奥へ奥へと進む。
「ここいらがギリギリかな」と言うと、桐生は指を引き抜いた。
何かが中にある微かな異物感がする。
「駿くん、何したの…?」
桜庭が震える声で訊く。
「タブレットを入れただけ」
桐生は素っ気なく答える。
「タブレット?」
「そう。
道場にお医者さんがいてさ。
相談したんだ。
彼女が不感症で悩んでるって。
そしたら、良い物があるよって教えてくれた。
市販の媚薬だけど、健康に害は無いし、即効性で効果は3~4時間効くって」
「びやく…?不感症?」
「俺のかわいい莉緒は不感症なんかじゃ無くて敏感だけどな」
桐生は笑って桜庭の唇にチュッとキスをする。
「しゅ、駿くん…取って」
「もう無駄だよ。
どんどん溶けてる筈だから」
桐生はベッドから離れると、ウエットディッシュで手を拭き、勉強机に向かい、パソコンを立ち上げる。
桜庭を無視してキーボードを叩く音がする。
参考書やノートを出しているところを見ると、勉強しているんだろう。
桜庭はその端正な横顔を見つめていた。
『嘘だよ』
『ちょっとした冗談!』
『脅かしてごめんな』
いつもの悪戯っぽい笑顔を向けてくれると信じて。
だが10分もすると蕾の中が熱くなってきた。
熱さはじわじわと全身に広がる。
その内、中がむず痒くなってきた。
桜庭自身にも熱が集まってくるのが分かる。
それから5分もすると中がカーッと熱くてむず痒くて堪らない。
桜庭は思わず声を上げた。
「駿くん…!中が熱い…痒い…っ…助けて」
桐生はチラッと桜庭を見ると、椅子から立った。
「へえ、即効性って本当なんだな」
桐生はゆっくりベッドに近付くと、桜庭の緩く勃ち上がった雄を扱き出す。
「ああっ…やめて…違う…ちが…ぁあ…中が…」
それでも桐生の手淫に桜庭の雄は完勃ちになった。
蜜がだらだら溢れる。
桐生がベッドサイドから黒い紐状の物を掴むと、桜庭の目の前でユラユラと揺らす。
「これ、俺の革製のブレスレット。
お気に入りで結構使い込んだんだけど、莉緒の為なら惜しくないよ」
「しゅ、しゅんくん…」
桜庭の瞳から真っ赤な頬に涙が零れる。
桐生が桜庭自身の根元をブレスレットできつく縛る。
「なんで…なんで…」
泣きながら言う桜庭をあやすように桐生が言う。
「莉緒はホントに何にも知らないんだな。
こうすると出せないんだよ。
イけるけど、昨夜の風呂みたいにドライだ」
桐生はにっこり笑うと、桜庭に背を向けて、また勉強机に向かった。
それから桜庭は一人ベッドの上で悶え続けた。
蕾の中が熱くてむず痒くて堪らない。
思いっきり擦って欲しい。
本音を言えば桐生に貫いて、激しく抜き差しして欲しい。
それに雄も上を向いたままだ。
射精感はあるが、根元を縛られているせいでどうにもならない。
それに全身が熱を持ったように熱い。
桐生はたまに「喉が乾くだろ?」と言って、口移しで水を飲ませてくれるが、それだけだ。
桜庭が泣きながら、「しゅんくん…中、擦って」と思い切って懇願しても、笑ってまた勉強机に戻ってしまう。
地獄のような時間が続いて、桜庭が悶えて腰を動かしていたせいでシーツはぐちゃぐちゃだ。
桜庭がむず痒さに襲われながらも朦朧としてきた頃、だんだん身体がラクになっていくのが分かった。
桐生が「そろそろだな」と言ってベッドに近付いて来る。
手足を縛った紐を解いて自由にしてくれる。
雄の根元を縛った黒い革のブレスレットも解いてくれた。
「莉緒、お疲れ様。
トイレにでも行って来いよ。
アイス持って来てやるから」
桜庭は終わったんだ…と思ったら、安堵で涙がポロポロと零れた。
まだ蕾の中が少しむず痒かったが、気にもならなかった。
パジャマを着て二階のトイレで用を足して部屋に戻ると、桐生がテーブルにカップのアイスとミネラルウォーターのペットボトルを置いて待っていてくれた。
「莉緒の好きなメーカーだろ?」
桐生がニコッと笑う。
今まであんなに酷いことをされたのに、なぜかその笑顔を見ると許せてしまう。
桜庭は「うん」と答えて、アイスを一口食べた。
冷たさと程好い甘さが、火照った身体に染み渡るようだった。
「美味しい!」
「うん、美味いな」
桐生も美味しそうにアイスを食べている。
二人で笑ってアイスを食べ終えて、水を飲むと桜庭は随分落ち着いた。
「莉緒…」
桐生が桜庭を抱き寄せる。
唇が重なる。
アイスを食べていたせいか、甘い甘いキス。
桜庭がうっとりとキスに酔っていると、桐生がパジャマを脱がしだした。
桜庭もまだ身体が疼いていたので、逆らわなかった。
桐生は桜庭を裸にすると、そっとベッドに横たえ、またキスを再開する。
やさしいキスに桜庭が桐生にしがみつく。
桐生が唇を離し、首筋に舌を這わす。
「ああん…しゅんくん…」
桜庭が甘えた喘ぎ声を上げた時、桐生の身体が動いた。
一瞬だった。
また足をM字に開かれ左右それぞれ手首と手足を縛られる。
パチッと音がしたかと思うと、もう桐生の指は蕾の中に入っていた。
桜庭は一言も言葉を発することが出来なかった。
桐生がタブレットを蕾の奥に置いて、指を引き抜いた時、桜庭は「なんで…」と呟いた。
桐生が桜庭の髪をやさしく撫でる。
「なあ、莉緒…」
桜庭は脅えた目で桐生を見た。
「メモを見せる気になった?」
桜庭はこれ以上無いというくらい、目を見開いた。
頭をゆっくり横に振る。
「そっか」
桐生は大して気にもしていないように桜庭から離れると、また勉強机に向かう。
桜庭はただ涙が零れた。
結局、前回と一緒だった。
蕾の中が熱くなり、むず痒くなり、熱さが全身に広がる。
そして雄が反応する。
それを桐生が扱いて完勃ちさせ、根元を黒い革のブレスレットで縛る。
桜庭が我慢しきれなくて泣いて桐生に懇願する。
桐生は笑って無視する。
桜庭は一人ベッドで悶える。
だがそこからは違った。
桜庭の蕾の中が熱さとむず痒さが最高潮に達した頃、桐生が急に椅子から立ち上がり、裸になった。
そして桜庭の顔に跨がった。
「舐めて」
桐生の雄を口に押し付けられる。
桜庭は涙を零しながら咥えた。
必死に舌を這わせ、吸う。
桐生がそれに合わせて腰を振る。
そんな最中でも熱さとむず痒さは桜庭を襲う。
桐生が桜庭の口から自身を引き抜く。
「辛いよな、莉緒」
桜庭は力無く頷く。
桐生はフッと笑って、桜庭の開かれた足元に移動する。
桜庭が霞む目で見ると、ゴムを着けているらしかった。
蕾にピタリと雄が当てられる。
「莉緒はどうして欲しい?」
「しゅんくん…中、熱い…痒い…」
「違うだろ。
ちゃんと言えよ」
「挿れて…しゅんくんので、いっぱい…擦って…奥まで突いて…」
桐生が一気に貫く。
「アアッ…アアアーッ」
待ちわびた刺激に桜庭が悲鳴のような喘ぎ声を上げる。
もう恥も外聞も無かった。
「してっ…いいっ…もっとぉ…もっと強くしてぇ…!」
「淫乱」
「しゅんくんっ…おっきい…ああんっ…いいっ…もっと…もっと…!」
桐生の抉るような激しい突きに合わせて、桜庭も不自由な身体で腰を振る。
バンバンと尻を叩かれるような、激しい出し挿れ。
それでも桜庭には物足りない位だった。
真っ赤な顔に、自然と涙が後から後から零れて落ちる。
でもそんなことはどうでもいい。
その時、猛烈な射精感が桜庭を襲った。
「イくっ…イくーっ…」
桐生の返事を待つ間も無い。
桜庭の縛られている雄がピクピクと跳ねる。
何も出さず、ドライでイった快感が、桜庭の全身を駆け抜けた。
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