ジャージ

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ジャージ

「あのさ、ジャージ貸してくれたりしない?」  背格好が近い去年のクラスメイトに、俺は少し緊張しつつ手を合わせた。  別に仲がいい訳じゃないしな――と最初から期待はしていなかったので、「いいよ」と言われて危うく変な声が出そうになった。 「どんなお礼をしてくれるのか、楽しみにしてるよ?」  実に爽やかに笑った彼に、ゾクッと恐怖とは別の震えを覚えてしまった俺は、たぶん、去年からちょっとおかしい。  
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