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カナちゃん〜夏〜
「タカシ先輩とお幸せにね。サークルのみんなには知らせたの? グループライン流さなきゃだめだよ〜。やっといてあげる」
いつになく積極的な私にミオリが戸惑いをみせる。
「ちょっとカナちゃん、そんなことして別れちゃったら居づらくなるじゃん、そういうのはいいよ〜」
いつになく消極的なミオリがうろたえている。
だから私は言った。
「だって別れられたら困るもん。長く付き合ってもらわないと。よし、送信っと」
私はサークルのグループラインに”タカシ&ミオリ、ラブラブの報”として流した。
「ちょっとカナちゃん、困るってなに、なんの話?」
もうしばらくこの状況を楽しみたいところだけど──、
「タカシ先輩って私にしつこくてさ。断っても断っても付きまとってくるから困ってたのよ。ミオリに話して正解だった、ありがとう」
ミオリが混乱しだす。ふふ、間もなく崩せそうだ。
「だってほら、四月一日だったでしょ? 嘘ついちゃってもいいかな〜って」
やっとこれで腐れ縁ともサヨナラだわ。
エイプリルフールも、悪かない。
(撃退)
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