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一気に奥まで突かれ、私は背をのけぞらせた。両手を顔のそばに押さえ付けられ、いきなり激しい律動に襲われる。
私は最初の数回の出し入れだけで達してしまった。余韻で震える最中も激しく擦られたため、次の絶頂にすぐに追い詰められる。それほどに男の欲望は硬く長大になっていて、私の弱点を的確にうがった。
「や、やぁ、やめて」
自分の体がどうにかなってしまいそうで怖くて泣きそうになる。
そんなみっともない顔など男に見られたくないのに、彼が食むように何度もキスをしてくるからさらすしかない。私を見つめる男の視線が痛くて、私はぎゅうと目を閉じる。
彼は向き合って私を抱くのが好きだった。私が絶頂を繰り返して我を失いそうな頃になるとたいていはこうする。
男は私のことが心底嫌いだった。
だからこうして私を自分の腕の中であえがせて、みっともなく乱れさせたいのだろう。
私はいつも陥落し屈辱を味わう。この男に完全に支配されている自分の無様さを痛感する。
さらに私をなぶるかのように、男が体位を変える。男が片脚を立て私の下半身に乗り上げるようにして、より深く突いてくる。
下腹部が圧迫される苦しさと奥をえぐられる刺激に声を上げる私の唇に、男のそれが重なった。
舌を吸い上げられ、一方的に貪るようなキスをされて息もできない。
解放を訴えようと生理的な涙がにじむ目を男に向けると、彼の鋭い眼差しとぶつかった。私を嘲笑っているのだろうと思っていたその顔は、予想に反して厳しくこわばってどこか切羽詰まったような表情をしていた。
まるで何かを必死に訴えようとしているかのように見えて私は彼に見入った。
この男は私を支配している。それなのにどうしてこんな顔をするのだろう。
そう思った途端、急に体が反転させられてうしろから一気に突かれた。
激しい動きが始まって、私は声を上げて意識をとばすことしかできなくなった。
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