冷酷な御曹司は復讐愛に囚われる~没落令嬢の甘く淫猥な夫婦生活~

7/11
前へ
/11ページ
次へ
思い知らせてやると言わんばかりに、男が私の片脚をデスクに乗せると、さらに奥を穿ってきた。 男に体重をかけられ思わず上半身をうずめた際にデスクの上にまとめてあった書類に皺が寄る。 だが気にする余裕はなかった。辛い体勢で突かれているため、声が出ないよう唇をかみしめるだけで精いっぱいだった。 律動するごとにしわくちゃになっていく書類が、がさがさと音を立てる。 「だ、だめ、激し、い」 思わず懇願するように言って身をよじるが、男はその動きを封じるように私を片腕で抱きしめる。 こんな体勢では伸びている片脚もしっかりと床につけることができない。だが男は片腕で私を抱き、もう片腕をデスクに立てて腰を動かしている。血管が浮き出ているその逞しく綺麗な男の手をぼやける視界でとらえながら、私は喘ぐ代わりに荒い呼吸をしていた。 「激しいのが好きだろう。もっと我を忘れてよろこんでみせろ」 重さから解放されたかと思うと、強引に体を反転させられ男と向き合うようにデスクの縁に押し付けられた。 「あぁっ!」 ほとんど抱え上げるようにされながら再び押し込まれ、私はついに声を漏らした。 深い場所をえぐられ耐え切れなくなった私は男の首にしがみついて、スーツのジャケットの硬い生地に口を押し付けて嬌声を押し殺す。 「俺を見ろ」 支配的な声に命じられるがままぼうとした目で男を見ると、噛みつくように唇を奪われた。そのままデスクの上に押し倒して濃厚なキスをすると、男はゆっくりと顔を上げた。 猛々しく上気した彼のその顔には、もうあの少女の頃に出会った青年の面影はみられない。けれども瞳に宿る鋭い光は少しも変わっていないと思った。 私は微笑んでいながらも瞳だけが赤裸々に憎悪の感情を漏らす男の顔が好きだった。その時の彼が放つ危険な雰囲気がとても美しいと思った。 あの目で見られると高揚した。素敵な男性を見てときめくようなそんな単純なものじゃない。胸の奥がきゅんと痛んでお腹の奥がズクリと疼くような、不思議で妖しい刺激を覚えたのだ。 「おまえなど、壊れてしまえばいいのに」 うわごとのように言って、男は言葉を実現するかのごとく力任せに私を突いた。 私はいつものごとく陥落して、男の耳元で甘い声をあげる。 私を支配しながらもどこか余裕のない言動をする男を見ると、たまらない愉悦を感じる。もっともっと一緒に快楽に落ちたい――そう願って感じる胸の昂りは、彼のあの鋭い眼差しを望むときの高揚と似ているかもしれない。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

91人が本棚に入れています
本棚に追加