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このコメントをテレビの前で興味深く聞いている女がいた。タルマ社のライバル会社、日本青果好き好き株式会社の社長、青井果穂だ。
彼女は多留間社長の自社に対して暗に濡れ衣を着せようとするコメントに苛立ちを覚えていたが、本条の発言を聞いてはっとした。もしタルマが病気であることが本当であれば、それを世間に告発してタルマ社を潰すことができる。
青井社長はさっそく部下をスパイとしてタルマ社に潜入させた。
スパイはすぐに成果を上げた。タルマの梱包工場にアルバイトとして潜入し、白いタルマを選別して捨てているところを写真に撮った。
その写真が『病気のタルマを販売か』という見出しとともに新聞に掲載されると、社長がいる本社の前にはたくさんの報道陣が詰めかけた。社長は会社を守るため、また一芝居打つことにした。
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