飛鼠と歌姫と私の世界

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 私たちは夜行性だ。  授業の半分は寝て、部活は幽霊部員として、家に帰るとさらに眠りを貪る。  それから両親が眠ると、部屋の電気をつける。  スマホを開いて、SNSを見る。  アカウント名『ももぱち』、駆け出しのボカロP。私だ。  アカウント名『悪夢バット』、ファンクラブもある。私の師匠。   「ももぱちちゃんの新曲歌ってみただって!」  急いでリンクへ飛ぶ。  この人はいつも私を見てくれている。  それに、こうして私の曲を歌ってくれるのだ。 「次は私か」  ボカロで繋がる私と師匠は、新曲を出すと歌ってみたを投稿する仲である。  師匠と交流するようになって、師匠のファンやボカロ界隈の人と交流することも増えた。  私はスマホを通してたくさんの人と繋がっている。  デジタル化社会で世界は広くなった。  この世界を否定されたくない。
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