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次に目を開けたとき、私は新居の寝台の上にいた。
そうだ、昨日引っ越しを終えたのだ。
でもさっきの部屋ではない。自分で選んで、契約して、家具も一通り自分で買い揃えて作ったマンションの一室。
しかし明らかに気持ちが昨日とは違う。寝る前まで抱いていた靄のかかった感情が消え失せて、さっぱりとした快感。
布団の上で起き上がると、一枚のメモがそこにあった。
『ご入居おめでとうございます! さあ準備は整いました。
捨てたものと取っておいたものはこちらになります。お考えが変わりましたら、またご相談ください。
・ソファ:撤去
・ベッド:ご利用継続
・椅子とテーブル:一時撤去(一部はまた戻してもよろしいかと存じます)
・壁の絵:保管(我慢なされなくなったらお預かりに参ります)
・マグカップ:撤去
最後の二品は、新しいものが早々に入りますよう応援しております。
しばらくはこちらのお部屋でのご生活を。きっと快適な部屋になりましょう。
また心機一転、新たな住居にお引越しなさりたい時には全力でお手伝いさせていただきます。
それでは、新しい生活を新しい部屋で始められますよう!』
窓から差し込んだ朝日が強い。
瞬きをすると、手にあったメモはいつの間にか跡形もなく消えていた。
***完***
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